おはよう、と言う声が聞こえるたび、安心する。
また一日を生き延びた。
疲れた心を、肉体を、癒す術を模索する旅を続けられると思うと、怠惰な自分に似合わず微笑がこぼれる。
「なに笑ってんだよ、気持ち悪い。ってか、起きるの遅いんだよ!! 俺もう学校行くからな! 朝ごはん出しといたからちゃんと食って、食器下げとけよ!」
「へぇへぇ……お前は俺の母親かよ…。」
「お前が怠惰すぎるからだよ、俺がやるしかないだろ! …あっ、俺もう本当に行くから!行ってきます!!」
慌ただしい主人を送り出して、欠伸を噛み殺す。
時刻は7:50。
決して遅くはないはずの起床時刻でこんなに怒られては、こちらも苦笑いしかできない。
俺に早起きを求めるなんぞ、無理な話。
怠惰を司る悪魔である自分の精神は、もう腐敗しきっているのに。
…名乗れって? 俺、じゃわからない?
わかってるよ、今から名乗るところさ。
俺は堕樂(だらく)。
神話に登場するような悪魔、ベルフェゴールだ。
不老不死を誇り、もう何世紀もこの体で過ごしている。
死なないのだから、もう死んでいるのと同じ。活力もなければ気力もない。
これでも七人兄弟の長男だ。
現在は、至って平凡な高校生の経子秋名(けいし あきな)のもとに仕えている。
結構優しくて、食べ物にも困らない。挙句秋名は『才能も豊富』だ。
こんな良物件、出会えた俺の幸運を褒めたたえて欲しいと思う。
口煩くて少し騒がしくはあるものの、俺は秋名を結構____
そこで俺の携帯が着信を知らせた。
画面を見て俺はつい、げ、と声を漏らす。
「偉癖(いくせ)…」
二番目に面倒な弟からの着信だった。
また一日を生き延びた。
疲れた心を、肉体を、癒す術を模索する旅を続けられると思うと、怠惰な自分に似合わず微笑がこぼれる。
「なに笑ってんだよ、気持ち悪い。ってか、起きるの遅いんだよ!! 俺もう学校行くからな! 朝ごはん出しといたからちゃんと食って、食器下げとけよ!」
「へぇへぇ……お前は俺の母親かよ…。」
「お前が怠惰すぎるからだよ、俺がやるしかないだろ! …あっ、俺もう本当に行くから!行ってきます!!」
慌ただしい主人を送り出して、欠伸を噛み殺す。
時刻は7:50。
決して遅くはないはずの起床時刻でこんなに怒られては、こちらも苦笑いしかできない。
俺に早起きを求めるなんぞ、無理な話。
怠惰を司る悪魔である自分の精神は、もう腐敗しきっているのに。
…名乗れって? 俺、じゃわからない?
わかってるよ、今から名乗るところさ。
俺は堕樂(だらく)。
神話に登場するような悪魔、ベルフェゴールだ。
不老不死を誇り、もう何世紀もこの体で過ごしている。
死なないのだから、もう死んでいるのと同じ。活力もなければ気力もない。
これでも七人兄弟の長男だ。
現在は、至って平凡な高校生の経子秋名(けいし あきな)のもとに仕えている。
結構優しくて、食べ物にも困らない。挙句秋名は『才能も豊富』だ。
こんな良物件、出会えた俺の幸運を褒めたたえて欲しいと思う。
口煩くて少し騒がしくはあるものの、俺は秋名を結構____
そこで俺の携帯が着信を知らせた。
画面を見て俺はつい、げ、と声を漏らす。
「偉癖(いくせ)…」
二番目に面倒な弟からの着信だった。
