[side: akina keishi
place: 私立錠賀第一学園 上等部]
私立錠賀(じょうが)教育学校。
学校制度や規則が厳しいものの、申請さえすれば入学資金も成績の良し悪しで免除される懐の大きな学校である。
学校制度や規則のおかげで学校は荒れないし、態度が良くないと見なされれば学費が免除されなくなってしまうので、生徒たちの成績も悪くない。
設備も良いのにこんなに気前が良くてやっていけるのだろうかと思うほど、気前の良い学校だ。
おまけに13歳から18歳までの6学年製なので、13歳で受ける受験さえパスしてしまえば、よっぽどのことがない限り進路には困らない。(大学は受験し直さないと入れないので別だが)
そんな学校に、俺、経子秋名(けいし あきな)は通っている。
成績学年上位、1年から3年まで陸上部だったから運動神経も悪くない、一人暮らしなもので家事もできる、よく笑うし性格は学級委員に選ばれるほどの良さ(同級生談)で、容姿は…これも同級生曰く平凡。
まぁ、容姿が平凡であっても、身長は高校生男子の平均である170cmだし、恋人が居てもおかしくない!!………はずなのだが、恋人がいない歴年齢の、本当に普通の男子高校生だ。
…いや、1年前ならこう言えた。俺は普通の男子高校生になる予定だったんだ。
1年前、死んだ母親の弟なる人物から、突然強大な力を持つ悪魔を譲り受けた。
理解が付いていないうちに契約させられ、そのとてつもなく怠惰な悪魔『堕樂』は今もうちにいる。
先程も、「食器洗わないで置いといてもいいか?」と呑気なメールが来たので、「洗え」と短文で返し一喝。本当に困った悪魔だと思う。
「経子、眉間に皺が寄っている。」
「んー…、堕樂の奴がさ。」
「あぁ、怠惰か。」
隣に居るのは、同じクラスの木丈院深水(きじょういん みすい)。
有名な木丈院財閥の跡取り息子で、頭が良く正義感のある男だ。
少々運動神経が良くないが。
彼も、物心ついた時から悪魔の主人として育てられ、色欲の悪魔を飼い慣らす一人の猛獣使いである。
「うん…誘(ゆう)さんは? 最近会ってないけど。」
「うむ、実にいつも通りだ。女を誑かして食事をして話を聞き、男と遊び歩いては、休みもせずに僕の面倒を見る。」
「よく疲れないよなぁ、あの人。っていうか誘さん、まだ遊び歩いてるんだ。」
俺の問いに深水は呆れたように苦笑いしてみせる。
出会った時から変わらない。一度歩き回りすぎて、悪魔であるのにも関わらず熱を出し、深水に酷く怒られたのだが、まだ懲りていないらしい。
「『寝て』はいないみたいだが、同時に遊ぶのもやめようとはしない。」
「本当に寝てないの?」
「アイツは、自分の性事情に関してオープンだからな。」
「そう、なんだ。」
どう反応したら良いか分からず、耐え切れないで笑ってしまった。
紳士的で、いつもニコニコと笑顔な色欲の悪魔、誘(ゆう)。
悪魔としての姿はアスモデウス。情欲と激情の悪魔として有名だ。
遊び歩いてもいるようだが、堕樂と違って働き者だし、しっかりものな七人兄弟の末っ子である。
「アイツを見ていると、僕も肩が凝るよ。」
「ははは、なんかわかるかも。俺は堕樂を睡眠時間を思い浮かべるだけで腰痛いよ。」
予鈴がなった。
中庭から二人で教室に向かう。
4年D組まで、階段を二つ上がらないといけない。
place: 私立錠賀第一学園 上等部]
私立錠賀(じょうが)教育学校。
学校制度や規則が厳しいものの、申請さえすれば入学資金も成績の良し悪しで免除される懐の大きな学校である。
学校制度や規則のおかげで学校は荒れないし、態度が良くないと見なされれば学費が免除されなくなってしまうので、生徒たちの成績も悪くない。
設備も良いのにこんなに気前が良くてやっていけるのだろうかと思うほど、気前の良い学校だ。
おまけに13歳から18歳までの6学年製なので、13歳で受ける受験さえパスしてしまえば、よっぽどのことがない限り進路には困らない。(大学は受験し直さないと入れないので別だが)
そんな学校に、俺、経子秋名(けいし あきな)は通っている。
成績学年上位、1年から3年まで陸上部だったから運動神経も悪くない、一人暮らしなもので家事もできる、よく笑うし性格は学級委員に選ばれるほどの良さ(同級生談)で、容姿は…これも同級生曰く平凡。
まぁ、容姿が平凡であっても、身長は高校生男子の平均である170cmだし、恋人が居てもおかしくない!!………はずなのだが、恋人がいない歴年齢の、本当に普通の男子高校生だ。
…いや、1年前ならこう言えた。俺は普通の男子高校生になる予定だったんだ。
1年前、死んだ母親の弟なる人物から、突然強大な力を持つ悪魔を譲り受けた。
理解が付いていないうちに契約させられ、そのとてつもなく怠惰な悪魔『堕樂』は今もうちにいる。
先程も、「食器洗わないで置いといてもいいか?」と呑気なメールが来たので、「洗え」と短文で返し一喝。本当に困った悪魔だと思う。
「経子、眉間に皺が寄っている。」
「んー…、堕樂の奴がさ。」
「あぁ、怠惰か。」
隣に居るのは、同じクラスの木丈院深水(きじょういん みすい)。
有名な木丈院財閥の跡取り息子で、頭が良く正義感のある男だ。
少々運動神経が良くないが。
彼も、物心ついた時から悪魔の主人として育てられ、色欲の悪魔を飼い慣らす一人の猛獣使いである。
「うん…誘(ゆう)さんは? 最近会ってないけど。」
「うむ、実にいつも通りだ。女を誑かして食事をして話を聞き、男と遊び歩いては、休みもせずに僕の面倒を見る。」
「よく疲れないよなぁ、あの人。っていうか誘さん、まだ遊び歩いてるんだ。」
俺の問いに深水は呆れたように苦笑いしてみせる。
出会った時から変わらない。一度歩き回りすぎて、悪魔であるのにも関わらず熱を出し、深水に酷く怒られたのだが、まだ懲りていないらしい。
「『寝て』はいないみたいだが、同時に遊ぶのもやめようとはしない。」
「本当に寝てないの?」
「アイツは、自分の性事情に関してオープンだからな。」
「そう、なんだ。」
どう反応したら良いか分からず、耐え切れないで笑ってしまった。
紳士的で、いつもニコニコと笑顔な色欲の悪魔、誘(ゆう)。
悪魔としての姿はアスモデウス。情欲と激情の悪魔として有名だ。
遊び歩いてもいるようだが、堕樂と違って働き者だし、しっかりものな七人兄弟の末っ子である。
「アイツを見ていると、僕も肩が凝るよ。」
「ははは、なんかわかるかも。俺は堕樂を睡眠時間を思い浮かべるだけで腰痛いよ。」
予鈴がなった。
中庭から二人で教室に向かう。
4年D組まで、階段を二つ上がらないといけない。
