ボクが目を覚ましてから、もう数ヶ月が経った。
ボクがみんなと過ごした江戸時代の数年間は、たったの一週間で済んでしまったらしい。
あの体験は嘘だったのかもしれないけれど、それにしてもいやにリアルで。
まあ、誰にも話す必要はないと思う。
あの後調べたら、どうやら歴史は大きくは変わっていないようだった。鳥羽・伏見の戦いで勝ったこと。藤堂平助が会津若松の戦いで命を落としたこと。変わったのはこれくらい。ボクのことも、桃華ちゃんのことも、八十治さんのことも、少しも書いていなかった。
「…ん。凛」
「んあ、何?」
ぼうっと通学路を歩いていたら、不意に後ろから肩を叩かれた。
「おはよう」
なんて微笑む彼女は、どこか桃華ちゃんに似ているけれど。
「はよ、水香」
名前は瀬良水香…と、全くかすっていない。
いや、名前が一緒な必要はないのかもしれないけれども。
「ちょっと凛、ぼーっとしてるけど平気?
今日から二年生なんだから、もっとこう…しゃんとしようよ」
「わかってるよー」
本当にわかってるのかな…といった顔をしてる水香を置いて、ボクはさっさと歩き始めた。
「なあ凛知ってる?」
クラス分けはもう春休みの登校日で知らされていたので、まっすぐ教室に向かった。
その教室で、後ろから身を乗り出す彼。
「何が」
「転校生だよ転校生!かわいい子らしいよ」
野島、野原…と名字が続くので、クラスが同じだと大抵前後になる奴だ。
腐れ縁と言うべきか、未だに違うクラスになったことがない。11回目も同じなのは、奇跡の1つなのかもしれない。
「ボクには興味ないなー」
「はー?ほんとお前変わったよな。
っつーか、お前の隣だぞ?転校生」
「………は?」
待って聞いてないんだけど。
目で問うと、彼…翔は呆れた顔をしてみせた。
「気づいてなかったのかよ」
気づくわけあるかい。
「転校生、『と』から始まる名字じゃね?
ほら、前が寺田で後ろが戸山だしさ」
そこからあーだこーだ勝手に考え始める翔のことは置いといて、ボクはぼんやり外の景色を眺めた。
桃華ちゃん、桜がよく似合ってたな。…なんでボク、平成に生まれたんだろ。
いつのまにかホームルームが始まっていたけれど、まあそこまで大事でもないし、いっか。
「今日からこのクラスに新しい仲間が加わります。
藤堂さん、入ってきて」
…………………藤堂?
まさか、と期待しかけるけれど、いやそんな訳はないと己を落ち着かせる。
こんなのただの偶然。そもそも、江戸時代の子が今ここに来る訳……
「藤堂桃華(ももか)です。よろしくお願いします」
ボクはバッと顔を上げた。
その途端視界に映る、薄茶色の髪の毛と桃色の瞳。
「えー、何、アルビノ?」
「バカ、アルビノは白い髪だろ」
「かわいー」
「あの目の色なんだろう、コンタクト?」
「厨二かよ」
いろんな声も気にならなくて、ボクはただ呆然と転校生を見つめる。
転校生はこちらを向いて、ふにゃりと微笑んだ。
先生に促されるとボクの隣の席に座り、またこちらに微笑んでくる。
「……桃華(とうか)ちゃん?」
小さく問うと、こくりと頷いた。
「ふふ、久しぶりだね。
でも、今は桃華(ももか)だから、桃華って呼んでほしいな。
…約束、守れたよ凛君。ただいま」
えっと……その、神様。
あの時、ふざけんなとか言って申し訳ありませんでした。
………………ありがとうございます!!!!!!
ーー浅葱色の華・完ーー
まさかの凛の潔い手のひら返しで終わる最終回。
さて、これで浅葱色の華も最終話になりました。はじめてのオリジナル小説が歴史物…不自然なところがたくさんあったと思います。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!!
これからはまず受験があるので、どこかで小説を投稿するのは早くても来年の四月ごろだと思います。水瀬玲としてかもしれないし、他の名前かもしれません。そもそも小説じゃないかもしれません。
何にせよ、あっこいつ水瀬っぽいな…という物があったら、ぜひその時も生暖かい目で見てくださると嬉しいです。
それでは。
今まで、本当にありがとうございました!!!いつかまた、会う日まで。
水瀬 玲
さて、これで浅葱色の華も最終話になりました。はじめてのオリジナル小説が歴史物…不自然なところがたくさんあったと思います。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!!
これからはまず受験があるので、どこかで小説を投稿するのは早くても来年の四月ごろだと思います。水瀬玲としてかもしれないし、他の名前かもしれません。そもそも小説じゃないかもしれません。
何にせよ、あっこいつ水瀬っぽいな…という物があったら、ぜひその時も生暖かい目で見てくださると嬉しいです。
それでは。
今まで、本当にありがとうございました!!!いつかまた、会う日まで。
水瀬 玲
