相変わらず雨の勢いは強く、止む気配はない。途方に暮れていると、隣で蒼が携帯をいじりはじめた。頭から流れる雫が画面に落ちても気にせず、何か作業をしている。近寄ってみて思ったが、抱きしめてられていた手をほどいた時より服が冷たい気がする。ずぶ濡れの制服を着ていたせいで、体が余計に冷えているのかもしれない。慌てて鞄の中をあさってみるが、あまり良いものはない。折り畳み傘こそあったものの、肝心のタオルが小さいのしかない。普通のフェイスタオルだが、この濡れようでは何度絞らなくてはならないか、考えただけでも背筋が凍る。
「蒼、私ちょっとトイレ行ってくるね。」
そろりと立ち上がる。
「ん…。」
静かな返事が聞こえたので、私はゆっくりとその場を離れた。
今から私が向かう場所。もちろん、トイレではない。トイレというのは単なる口実で、実際の目的地は保健室。ガラガラ…とドアを開け、中に入る。
「失礼s…。」
「あら〜、誰かと思えば仲里さんじゃない!!!どうしたの?」
明るく陽気な声に出迎えられ、ホッと胸をなで下ろす。明るさとそのポジティブさだけがが持ち前の、霧瑞先生だ。生徒によく慕われていて、みんな心を込めて『瑞姫先生』と呼んでいる。名字と名前の最後をとって決まったそのあだ名は、先生自身も気に入っているようだ。こう呼ぶといつも嬉しそうな顔をして
『はい、何でしょう』なんておどけてみせたりする。
「 瑞姫先生、雨で濡れちゃって…。タオルいただいてもいいですか?」
どうぞどうぞ、といわんばかりの顔で私の眼の前にタオルを積み上げていく。保健室のタオルは少し大きめで厚手だから、4枚程度で前が見えなくなってしまう。よろよろしながらもゆっくりお辞儀をして、教室を後にした。
「蒼、私ちょっとトイレ行ってくるね。」
そろりと立ち上がる。
「ん…。」
静かな返事が聞こえたので、私はゆっくりとその場を離れた。
今から私が向かう場所。もちろん、トイレではない。トイレというのは単なる口実で、実際の目的地は保健室。ガラガラ…とドアを開け、中に入る。
「失礼s…。」
「あら〜、誰かと思えば仲里さんじゃない!!!どうしたの?」
明るく陽気な声に出迎えられ、ホッと胸をなで下ろす。明るさとそのポジティブさだけがが持ち前の、霧瑞先生だ。生徒によく慕われていて、みんな心を込めて『瑞姫先生』と呼んでいる。名字と名前の最後をとって決まったそのあだ名は、先生自身も気に入っているようだ。こう呼ぶといつも嬉しそうな顔をして
『はい、何でしょう』なんておどけてみせたりする。
「 瑞姫先生、雨で濡れちゃって…。タオルいただいてもいいですか?」
どうぞどうぞ、といわんばかりの顔で私の眼の前にタオルを積み上げていく。保健室のタオルは少し大きめで厚手だから、4枚程度で前が見えなくなってしまう。よろよろしながらもゆっくりお辞儀をして、教室を後にした。
