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幼馴染ときどき先輩。
- 彼氏と彼女。 -

「 行こっか。」
照れ隠しの笑みを浮かべて、頷く。今は平静を装っているけど、結構焦ってたりする。普通好きな人に可愛いとか言われたら慌てるもんだし、そもそも一緒に登校してる時点で心臓が飛び出そう。ふぅ、と一息ついて隣にちらと視線をやると見事に目があった。
「「…!?」」
反射的に目をそらし、俯向く。ろくに喋ることもできないのにどうして、どうして誘いを断らなかったんだろう…。答えは単純明快なのに、どうしてかそれを認めたくなかった。
彼がおもむろに携帯を取り出し、いじり始めた。つまらなかったのかなとか、ぐるぐる考えてると突然着信音が鳴った。慌てて取り出すと、メッセージが一件。
「見ても…いい?」
恐る恐る聞くと軽く頷いてそっぽを向かれてしまった。少々ガッカリしながら、メッセージを見て驚いた。そこには、隣にいるはずの蒼からは想像もつかないような健気な文章が綴られていた。
>>メール、驚いた?ごめん。緊張して話せなくて。 隣にいるのに……。
ハァと小さくため息を漏らした。緊張、してたんだ。ふふっと笑って隣を見た。可愛いとか言ってたけど、蒼も可愛いとこあるじゃん。
「本当、隣にいるのにね〜。」
からかい半分で言ってみる。そんなに声が大きいわけじゃないけど、緊張する。周囲の人に聞かれてたら、どうしようもない。だって、告白みたいに思われたら恥ずかしくて学校に行けなくなりそうだ。まあ、こんな朝早くにたいした人数もいないけれど。横目で彼を見ると、真っ赤な顔で何かをぶつぶつ言っている。キョトンとして、鞄に携帯を片付けた。手を下ろした時に、何かが手に触れた。知らんぷりを決め込んでいると、指先に少しだけ絡みついてきた。気になって見てみると、蒼の手が私の手を握るわけでもなく、居場所をなくしたように指先でもそもそと動いていた。その手に若干指を絡めたところで声がした。
「おはよっ!莉央。それと、蒼先輩。」
「彩!!お、おはよう。」
驚きの余り、たじたじしているとすぐ横で笑い声がした。
「それと、って何だよ。」
「いや〜、莉央は友達ですから。」
二人が笑いあっている。ホッと安堵したところで自分の状況に気がついた。今人前で手を繋ぎかけたまま、立っている。気付かれたらどうしよう。
「俺は。」
「うーん…、先輩?」
「?ってどういうことだよ。」
「そういうことじゃないですか?」
「ひでぇ。」
楽しそうな笑い声をよそに高まる鼓動を抑えるのが精一杯だった。ニコニコと愛想笑いを浮かべていると、蒼が突然切り出した。
「彩。あの…」
「わかってますよ。付き合うんですよね、おめでとうございます。あとそれ見たら誰でもわかります。」
彩の目線の先には繋ぎかけた手があった。慌てる蒼そっちのけで言った。
「はいはい。大好きな彼女と手を繋ぎたいんすよね、わかってます。では、これで。」
ひらひらと手を振って歩いて行った彩を見送って、また歩き出した。手はさっき振りほどかれたので繋いでいない。彼女という言葉に、ずっしりとした重みを感じながらも笑ってしまう。彼も含み笑いでこちらを見ている。
「「これからよろしくお願いします。」」

----おしまい---

今まで閲覧してくださった皆様、本当にありがとうございました。
興味本位で始めたこの作品が無事に終わって嬉しく思います(≧∇≦)

蒼と莉央、付き合うことになって本当に嬉しいです。。。作者自身、結末をどうするか悩んでいたので。
も、もしかしたらオリジナル小説投稿館で続編出すかもしれません…笑
今まで、本当にありがとうございましたヾ(@⌒ー⌒@)ノ
<2017/02/12 00:38 美柑>消しゴム
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