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幼馴染ときどき先輩。


「それで、話って何…?」
浅く冷たい笑顔で問われる。私は一瞬ひるんだが、立て直し、口をわずかに動かした。
「蒼のことで…その、先輩は蓮真先輩と付き合っているんですよね?どうして、蒼を傷付けるようなことするんですか!!」
わなと震える手を強く握り締め、力の限り叫ぶ。張り付いたような笑顔とは裏腹に、想像もつかないような暗く低い声で彼女が言った。
「そうよ、蓮真君は私の彼。でも何か問題がある?私が蒼君と仲良くすること。」
あざ笑うように言い放って、私に滲みよる先輩は、笑っていなかった。ビクリとしたが、蒼の、あの時の表情を思い出したら、胸がキューッと締め付けられた。身体中の勇気をかき集め、反抗する。
「蒼は、夏海先輩が好きなんです。だから、だからこそ、先輩と蓮真先輩が付き合っていると知ってとてもつらい思いをしていたんです…。これ以上……蒼を傷付けないで下さい………。」
口に出してから後悔した。自分でも、痛いほどわかっているのに、言わないことにはどうにもならない。震える声で言い切った後、ヘナヘナとその場にしゃがみ込んだ。幸い、下がコンクリートで影なので、濡れる心配はなかった。力無く彼女を見上げると、先輩は捨て台詞を残してこの場を離れようとしていた。
「私だって、そういうつもりじゃなかったの…。」
振り返った夏海先輩の頬は濡れていた。直後、赤面しながら悲しく笑って、
「でも、そうするほかなかったの!!蒼君には……。」
と言った。最後は雨音にかき消されてしまったが、聞き返す余裕もなく、彼女は走って行った。残された私は、こみ上げてくる涙をこらえきれずに、ワァワァ泣いた。自分の鈍さにこれほどまでに嫌気がさしたことはなかった。夏海先輩の気持に気付かず、傷つけてしまった。言葉で言い表せない、深く大きな傷。
「ごめんなさい……」
小さく呟いた。

夏海先輩の行動の裏に隠れていたのは恋心!だったんですね〜^ ^
これほどまでに人を切ない気持ちに出来るのは、三角関係など
人間関係の複雑な片想いなんじゃないでしょうか。

感想ありがとうございます!立華さん、その他大勢の読者様、本当にありがとうございます。
スランプの時期でも、沢山の方が見てくれてると思うと、魔法のように書けるんです。
本当に感謝してます!!!!これからもよろしくお願いします(*^^*)
<2017/01/17 22:39 美柑>消しゴム
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