「よし、じゃあ次は二十分いってみよう」
「は、はい……」
私は頬をつたう汗をぬぐいながら、ランニングマシーンに二十分をセットした。
なんで私はこんな目に……?
今日は高橋先輩との約束の日。高橋先輩のことだから、てっきりチャラチャラしてそうな所で待ち合わせすると思ったのに、先輩が指定した場所はなんとスポーツジムの前! そしてそこで筋トレをするハメになってしまって……「二人きりってわけじゃない」って言ってたのはホントだったね、ジムなら他にもたくさんの人がいるから。
でも、ここってどうしても好きになれない。汗くさいし、人がたくさんいるし、それに先輩と一緒だから、
「わー、ねえあの二人見て! すっごい美人とイケメンがいるよ!」「もしかしてカレカノかなぁ?」「ううん、絶対カレカノだよ!」「うわー、うらやましー!」
っていう、女の人の二人組(多分、『ダイエットしよう!』とか言ってジムに来たんだと思う)の声が聞こえる。
その声はさすがに、高橋先輩にも聞こえていたようで、
「あれ聞こえてるの、気づいているのかな? オレ達、カレカノじゃないのにね」
「そう、ですね……私と先輩は、同じ部活の先輩と後輩っていう関係なだけですもんね」
先輩はなぜだか嬉しそうにしている。
私は高橋先輩との会話をやめて、走るのに集中する。
集中しながら、考える。
こうしていると、やっぱりカレカノの関係に見えちゃうのかな……
人の勝手な勘違いは、こんなことにもつながってしまうから、脳って早とちりなのかもしれないな。
って、何で私はトレーニングしながら脳について考えてんだろ。
「みーやちゃん! もう二十分終わったよ?」
「あ、れ?」
私がそんなことを考えているまに、とっくに二十分は過ぎていた。
「あ、すみません」
「どうしたの? 何か考え事?」
先輩は私を不安そうに見つめる。
「あの……脳が、なんか、すごいなあって」
「は? 脳?」
先輩はポカンとしている。うわああ、私何言ってんだ! でもいいや。先輩、何か勘違いして私に聞いているっぽいから。
「な、なんでもないです! 気にしないで下さい。それより先輩! 私、もう疲れました」
「あ、うん。じゃあ、休もうか?」
先輩は、私をジムの中にあるベンチに座らせて、スポーツドリンクを二本買ってきて、一本渡してくれた。先輩もベンチに座って、スポーツドリンクのキャップを開けている。
運動をして、たくさん汗をかいた後の飲み物って、生き返る~!
「はぁ~、高橋先輩。もうやめたいです! たくさん歩いたり走ったりしましたから」
私がスポーツドリンクを一気飲みして言うと、
「そうだね! オレももうイヤになってきちゃったよ。じゃあ解散にしようか」
「あ、はい。先輩、今日はありがとうございました!」
私が笑ってお礼を言うと、先輩は立ち上がって、私の髪の毛をソッとなでた。
「高橋先輩……?」
「汗で髪の毛、濡れてる」
「え? ああっ! 先輩、触らないほうがいいですよ……くさいですよ、多分」
私が少し照れると、先輩はフフッと笑った。
「……かわいい。オレ、やっぱり宮ちゃんのこと好きだわ」
え?
「は、はい……」
私は頬をつたう汗をぬぐいながら、ランニングマシーンに二十分をセットした。
なんで私はこんな目に……?
今日は高橋先輩との約束の日。高橋先輩のことだから、てっきりチャラチャラしてそうな所で待ち合わせすると思ったのに、先輩が指定した場所はなんとスポーツジムの前! そしてそこで筋トレをするハメになってしまって……「二人きりってわけじゃない」って言ってたのはホントだったね、ジムなら他にもたくさんの人がいるから。
でも、ここってどうしても好きになれない。汗くさいし、人がたくさんいるし、それに先輩と一緒だから、
「わー、ねえあの二人見て! すっごい美人とイケメンがいるよ!」「もしかしてカレカノかなぁ?」「ううん、絶対カレカノだよ!」「うわー、うらやましー!」
っていう、女の人の二人組(多分、『ダイエットしよう!』とか言ってジムに来たんだと思う)の声が聞こえる。
その声はさすがに、高橋先輩にも聞こえていたようで、
「あれ聞こえてるの、気づいているのかな? オレ達、カレカノじゃないのにね」
「そう、ですね……私と先輩は、同じ部活の先輩と後輩っていう関係なだけですもんね」
先輩はなぜだか嬉しそうにしている。
私は高橋先輩との会話をやめて、走るのに集中する。
集中しながら、考える。
こうしていると、やっぱりカレカノの関係に見えちゃうのかな……
人の勝手な勘違いは、こんなことにもつながってしまうから、脳って早とちりなのかもしれないな。
って、何で私はトレーニングしながら脳について考えてんだろ。
「みーやちゃん! もう二十分終わったよ?」
「あ、れ?」
私がそんなことを考えているまに、とっくに二十分は過ぎていた。
「あ、すみません」
「どうしたの? 何か考え事?」
先輩は私を不安そうに見つめる。
「あの……脳が、なんか、すごいなあって」
「は? 脳?」
先輩はポカンとしている。うわああ、私何言ってんだ! でもいいや。先輩、何か勘違いして私に聞いているっぽいから。
「な、なんでもないです! 気にしないで下さい。それより先輩! 私、もう疲れました」
「あ、うん。じゃあ、休もうか?」
先輩は、私をジムの中にあるベンチに座らせて、スポーツドリンクを二本買ってきて、一本渡してくれた。先輩もベンチに座って、スポーツドリンクのキャップを開けている。
運動をして、たくさん汗をかいた後の飲み物って、生き返る~!
「はぁ~、高橋先輩。もうやめたいです! たくさん歩いたり走ったりしましたから」
私がスポーツドリンクを一気飲みして言うと、
「そうだね! オレももうイヤになってきちゃったよ。じゃあ解散にしようか」
「あ、はい。先輩、今日はありがとうございました!」
私が笑ってお礼を言うと、先輩は立ち上がって、私の髪の毛をソッとなでた。
「高橋先輩……?」
「汗で髪の毛、濡れてる」
「え? ああっ! 先輩、触らないほうがいいですよ……くさいですよ、多分」
私が少し照れると、先輩はフフッと笑った。
「……かわいい。オレ、やっぱり宮ちゃんのこと好きだわ」
え?
