「うーっわきったねぇ!」
「兄さんの部屋並にね」
「えぇぇ!?」
「アンタらうっさい!先生に見つかったら怒られるんだから!」
「俺は反対したからな」
「えぇー…いいじゃんファイー…」
「ダメな事はダメです」
「…」
6人は夏の暑さに勝ち切る為に肝試しに来た。郊外の廃病院だ。
「俺、行かない」
「何?ビビッてんの?」
「ビビッてねぇし馬鹿じゃねぇの」
「じゃあ行こう!」
最年少、16歳のアキストは怖いものが大の苦手であるが、怖いもの知らずの兄、ネクストに弄られるのが気に食わないらしく、見事に挑発に乗った。
「あの…な…アキ…俺に引っ付くのやめてくんねぇか?」
「すいません…」
「やっぱ怖いのか?」
「い、いや!そそんなことないです!」
明らかに怖がっていると思うが気にしないで進む。
「あれ?でっかい鏡ある」
病院には場違いな大きな鏡があった。淵は綺麗に装飾されていて、どこも割れていないし汚れていない。
「おかしくないか?普通病院に鏡なんてないだろ」
「写し鏡…」
「え?」
ソレンが言った。ソレンによると、写し鏡というのは夜、鏡をじっと見つめていると鏡の中の自分と入れ替わってしまうらしい。本物は鏡から二度と出られなくなってしまう、というものだ。
「もう鏡はいいよ!」
アキストは恐怖パラメーターがもうすぐ壊れそうだった。
「そ、そうだな…」
皆賛同して鏡は放置、ということになった。鏡から6つの影が覗いているとも知らずに…。
「あ、ねぇ私トイレ行ってくるから待ってて」
「お、おう…」
ソレンはトイレに走って行った。数分後。
「いゃああああああああああああああああああああああああ!!!」
「っ!?姉ちゃん!!?」
ネクストがトイレへ走っていった。
「姉ちゃん!」
「あ、ごめん!虫が出て…」
「なんだ…ビビッた…てっきり入れ替わっちまったのかと思ったわ。もう行こうぜ」
「うん」
ネクストがソレンから目を離したとき、ソレンはニヤリと怪しく笑った。
「なぁ、ここ広いし手分けして探索したほうがいいんじゃないか?」
ファイの意見により3チームに別れて探索することに決定した。
「あの…先輩…」
「ん?何?」
「本当に別れてよかったんですか…?」
アキストとファイチーム、アキストは早速ファイに引っ付いていた。
「んー…でもよ、6人で探索しててさ、ここ回るのに何時間かかると思う?俺は軽く3時間はかかると思うけど。3チームだったら、ここは3階まであるから1チームが1つの階探索したほうが時間かからないだろ?」
「あー…だったら別れて探索したほうがいいです…」
アキストも納得して探索を続けた。
「いやぁそれにしてもほんっとに汚いねぇ!」
「分かるわー…マジ共感…」
ククル、ソレンチームはありとあらゆるところが汚いと言った。当たり前だ。ここは何10年も前に潰れたのだから。
「あー…お!見て!また鏡がある!」
「おお!写真撮ろうや!」
ククルがスマホのカメラモードを起動して鏡に向けた。
「よっしゃ撮れた!」
スクリーン越しに見ていた画面には何も写っていない。写真を確認しようとスマホを降ろした。
「え…!?」
スクリーンには写らなかった筈だ。しかし自身の眼で見る。鏡からククルの姿をした何かが襲ってきた。
「い、や、やめろ!!離せ!ソレン!たすけ…」
「アンタモ…鏡ニ入ルンダヨ…」
ソレンはククルを見下して言った。いつもの陽気なソレンの笑顔とは違った、悪意に満ち溢れた笑顔で…。
「や、やだ…やめっ…きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ―――っ!!!!」
「っははははははは!!やっぱり外の人間の身体は居心地がいい!!っははははははは!!!」
ククルの鏡、ミラーは笑った。
「あー…本当に気持ちがいい…他の人間も取り込んでやろう…」
「ああ…アイツらも…ね…ふふふっ…」
ソレンとククルの鏡はネクストとルシアノがいる3階へ向かった。
「あーなんも無いですねぇ…」
「ホントねぇ…ネクぅ、何か怖い話知らない?」
「んー…意味怖なら…」
「それでもいいよー」
ネクスト、ルシアノチームは3階を全部見てしまった。ハイテンション組は怖い話で時間つぶしをしようとした。
「――って事です」
「あー!なるほど!そゆこと!」
話を終えたところにソレンとククルが来た。
「あれ、姉ちゃん探索終わったん?」
「そうだよ。案外呆気なかったね」
「ねぇもっかい鏡見てみようよ」
「あー、暇だし見てみよっか!」
ネクスト、ルシアノはソレンたちについて行った。
「ほら、これだよ」
「ルシアノ先輩…」
「え、何?」
ネクストはルシアノに耳打ちした。
「アイツら…鏡です…!」
「え…!?」
「どうしたの?ほら、見てみなよ」
「姉ちゃんの前髪の分け方…逆です…!ククル先輩もサイドテールが逆になってて…!!」
「・・・逃げよう…!」
ネクストは鏡を突き飛ばして走った。
「…逃げられた…」
悔しそうな顔をして言った。
「アキたちがいる1階に行こう…!」
「はい!」
「でも…なんであの2人が入れ替わりなんて…どう考えてもおかしいよ…!」
「確かに…ククル先輩ならどんな怪異の気配も読み取れるのに…!」
「あれ?ネク?」
「あっ…!ファイ先輩!」
ファイとアキストを見つけてネクストは息を切らして床に座り込んだ。
「お、おい…どうしたんだ?」
「鏡がっ…姉ちゃんとククル先輩を取り込んで…今…こっち来る…」
「兄さん大丈夫…?」
アキストがネクストの隣にしゃがみ込み、背中を摩る。
「ああ…大丈夫だ…でも…もうすぐこっちに来ちまう…その前に…どうにかしないと…」
やっと落ち着いてきたネクストは立ち上がって、鏡が来ないかどうか辺りを見回した。
「取り込まれたって…だったらソレンとククルはどうなんだよ!!二度と戻らねぇんだぞ!?」
「ファイ!落ち着いて!今は無理かも知れないけどどうにかして助けるしかないでしょ!?」
「でも…どうやって助けるんですか!何か方法でもあるんですか!?」
「今こうやって焦っても変わらないよ!!こういう時に落ち着いて方法を考えるんじゃない!!」
「ファイ先輩…焦る気持ちも分かります…。でもルシアノ先輩が言うように、今は落ち着いてここを探索するのが先決なんじゃないですか?」
「っ…」
「いつもの凛々しい先輩を見せてください」
沈黙。
「…分かった…。俺も突然で焦っちまった…」
「そうだ!それでこそファイだね!ほら、探索しよ!」
4人はソレンとククルを助けるべく歩き出した。
「兄さんの部屋並にね」
「えぇぇ!?」
「アンタらうっさい!先生に見つかったら怒られるんだから!」
「俺は反対したからな」
「えぇー…いいじゃんファイー…」
「ダメな事はダメです」
「…」
6人は夏の暑さに勝ち切る為に肝試しに来た。郊外の廃病院だ。
「俺、行かない」
「何?ビビッてんの?」
「ビビッてねぇし馬鹿じゃねぇの」
「じゃあ行こう!」
最年少、16歳のアキストは怖いものが大の苦手であるが、怖いもの知らずの兄、ネクストに弄られるのが気に食わないらしく、見事に挑発に乗った。
「あの…な…アキ…俺に引っ付くのやめてくんねぇか?」
「すいません…」
「やっぱ怖いのか?」
「い、いや!そそんなことないです!」
明らかに怖がっていると思うが気にしないで進む。
「あれ?でっかい鏡ある」
病院には場違いな大きな鏡があった。淵は綺麗に装飾されていて、どこも割れていないし汚れていない。
「おかしくないか?普通病院に鏡なんてないだろ」
「写し鏡…」
「え?」
ソレンが言った。ソレンによると、写し鏡というのは夜、鏡をじっと見つめていると鏡の中の自分と入れ替わってしまうらしい。本物は鏡から二度と出られなくなってしまう、というものだ。
「もう鏡はいいよ!」
アキストは恐怖パラメーターがもうすぐ壊れそうだった。
「そ、そうだな…」
皆賛同して鏡は放置、ということになった。鏡から6つの影が覗いているとも知らずに…。
「あ、ねぇ私トイレ行ってくるから待ってて」
「お、おう…」
ソレンはトイレに走って行った。数分後。
「いゃああああああああああああああああああああああああ!!!」
「っ!?姉ちゃん!!?」
ネクストがトイレへ走っていった。
「姉ちゃん!」
「あ、ごめん!虫が出て…」
「なんだ…ビビッた…てっきり入れ替わっちまったのかと思ったわ。もう行こうぜ」
「うん」
ネクストがソレンから目を離したとき、ソレンはニヤリと怪しく笑った。
「なぁ、ここ広いし手分けして探索したほうがいいんじゃないか?」
ファイの意見により3チームに別れて探索することに決定した。
「あの…先輩…」
「ん?何?」
「本当に別れてよかったんですか…?」
アキストとファイチーム、アキストは早速ファイに引っ付いていた。
「んー…でもよ、6人で探索しててさ、ここ回るのに何時間かかると思う?俺は軽く3時間はかかると思うけど。3チームだったら、ここは3階まであるから1チームが1つの階探索したほうが時間かからないだろ?」
「あー…だったら別れて探索したほうがいいです…」
アキストも納得して探索を続けた。
「いやぁそれにしてもほんっとに汚いねぇ!」
「分かるわー…マジ共感…」
ククル、ソレンチームはありとあらゆるところが汚いと言った。当たり前だ。ここは何10年も前に潰れたのだから。
「あー…お!見て!また鏡がある!」
「おお!写真撮ろうや!」
ククルがスマホのカメラモードを起動して鏡に向けた。
「よっしゃ撮れた!」
スクリーン越しに見ていた画面には何も写っていない。写真を確認しようとスマホを降ろした。
「え…!?」
スクリーンには写らなかった筈だ。しかし自身の眼で見る。鏡からククルの姿をした何かが襲ってきた。
「い、や、やめろ!!離せ!ソレン!たすけ…」
「アンタモ…鏡ニ入ルンダヨ…」
ソレンはククルを見下して言った。いつもの陽気なソレンの笑顔とは違った、悪意に満ち溢れた笑顔で…。
「や、やだ…やめっ…きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ―――っ!!!!」
「っははははははは!!やっぱり外の人間の身体は居心地がいい!!っははははははは!!!」
ククルの鏡、ミラーは笑った。
「あー…本当に気持ちがいい…他の人間も取り込んでやろう…」
「ああ…アイツらも…ね…ふふふっ…」
ソレンとククルの鏡はネクストとルシアノがいる3階へ向かった。
「あーなんも無いですねぇ…」
「ホントねぇ…ネクぅ、何か怖い話知らない?」
「んー…意味怖なら…」
「それでもいいよー」
ネクスト、ルシアノチームは3階を全部見てしまった。ハイテンション組は怖い話で時間つぶしをしようとした。
「――って事です」
「あー!なるほど!そゆこと!」
話を終えたところにソレンとククルが来た。
「あれ、姉ちゃん探索終わったん?」
「そうだよ。案外呆気なかったね」
「ねぇもっかい鏡見てみようよ」
「あー、暇だし見てみよっか!」
ネクスト、ルシアノはソレンたちについて行った。
「ほら、これだよ」
「ルシアノ先輩…」
「え、何?」
ネクストはルシアノに耳打ちした。
「アイツら…鏡です…!」
「え…!?」
「どうしたの?ほら、見てみなよ」
「姉ちゃんの前髪の分け方…逆です…!ククル先輩もサイドテールが逆になってて…!!」
「・・・逃げよう…!」
ネクストは鏡を突き飛ばして走った。
「…逃げられた…」
悔しそうな顔をして言った。
「アキたちがいる1階に行こう…!」
「はい!」
「でも…なんであの2人が入れ替わりなんて…どう考えてもおかしいよ…!」
「確かに…ククル先輩ならどんな怪異の気配も読み取れるのに…!」
「あれ?ネク?」
「あっ…!ファイ先輩!」
ファイとアキストを見つけてネクストは息を切らして床に座り込んだ。
「お、おい…どうしたんだ?」
「鏡がっ…姉ちゃんとククル先輩を取り込んで…今…こっち来る…」
「兄さん大丈夫…?」
アキストがネクストの隣にしゃがみ込み、背中を摩る。
「ああ…大丈夫だ…でも…もうすぐこっちに来ちまう…その前に…どうにかしないと…」
やっと落ち着いてきたネクストは立ち上がって、鏡が来ないかどうか辺りを見回した。
「取り込まれたって…だったらソレンとククルはどうなんだよ!!二度と戻らねぇんだぞ!?」
「ファイ!落ち着いて!今は無理かも知れないけどどうにかして助けるしかないでしょ!?」
「でも…どうやって助けるんですか!何か方法でもあるんですか!?」
「今こうやって焦っても変わらないよ!!こういう時に落ち着いて方法を考えるんじゃない!!」
「ファイ先輩…焦る気持ちも分かります…。でもルシアノ先輩が言うように、今は落ち着いてここを探索するのが先決なんじゃないですか?」
「っ…」
「いつもの凛々しい先輩を見せてください」
沈黙。
「…分かった…。俺も突然で焦っちまった…」
「そうだ!それでこそファイだね!ほら、探索しよ!」
4人はソレンとククルを助けるべく歩き出した。
