「あー…ここか…」
廃病院の玄関に佇む大柄な男。呆れたように手を腰に当て3階を見上げた。
「ったく…夜に出歩くなって言ってんのに…親父に見つかったらどうすんだよ…」
男は大きなため息を吐いて中へ入っていった。
「うーわ…きったねぇ…」
男は顔を顰めて言った。煤が積もった床にはそれぞれ跡が違う足跡が6つあった。
「はーぁ…めんどくせぇな…オーイ!!お前らいんの知ってんだぞ!!センコーに言いつけられたくなかったらさっさと出てこい!」
男は良く通る声で怒鳴った。
「お…お兄ちゃん…?」
「ルシアノ…お前さ…どうなるか分かってるよなぁ?」
お兄ちゃんと呼ばれた男は腕組をして脅しの言葉をかけた。
「あれ…ルシオナさん…!?」
「さっさと帰んぞ」
「ダメなの!今帰っちゃダメなの!!」
ルシアノはルシオナの腕を掴んだ。そして現在までの過程を全て自白した。
「そうか…そんで帰ったらダメなんだな」
「うん…」
「提案したの誰なんだよ」
「それは…ソレンだけど…」
「ならしゃーないな。提案したのが悪ぃ。帰んぞ」
「え…!?見捨てるの…!!?」
「そんな…!どうしてそんな…」
「冗談だ」
少し沈黙が続いて、
「探すぞ」
振り向いたルシオナの顔は呆れたような困ったような感じの微妙な笑顔だった。
「っ…うっ…」
「あー泣くな泣くな。俺が恥ずい」
泣きそうなルシアノの頭をルシオナは軽く叩いた。
「でも…お前ら一回鏡写ってんだろ?」
「はい…」
「それならお前ら4人のミラーも出てくるだろ。情報を得ちまったんだから」
最年長ルシオナはここにある鏡全てを割ると言った。対処法はこれしかない。
「それじゃあ…取り込まれた本物はどうなるんですか…!?」
「残る鏡が1つとなればミラーも鏡の中に戻るだろ。そん時に本物がミラーぶっ飛ばして無理やり出てこればいいんだよ」
「…出来るの…?そんなこと…」
「出来るか出来ないかじゃねぇ やるんだよ」
強引な作戦には不思議な説得力があった。
「そう…ですね…やりましょう!」
「俺達は鏡みたいに脆く無い…。神獣の本気魅せてやる…!!」
「いいかお前ら!恐怖心捨てて鏡を全部割っちまえ!」
鏡と本物を見分けるため、5人はスマホの通話機能でお互いの状況を知らせることにした。
ネクストは手術室に来た。
「鏡は…あった!」
ネクストは鏡を道中で拾って鉄パイプで割った。
『兄さん、鏡割った?』
「おう、割ったぞ。お前んとこは大丈夫か?」
『問題ないよ。兄さんも気をつけて』
「ああ、わーってるよ」
アキストはナースコールセンターに来た。
「鏡…あれか!」
アキストは手元にあったスチール製のゴミ箱を投げつけて割った。
「よし…次だ…」
アキストはセンターを出て別の場所へ向かった。
ルシアノは兄と行動していた。女であるため、そして何より妹が心配だからだ。
「…あっお兄ちゃん、あれ…」
「…おう」
ルシオナは拳で鏡を真ん中から割った。
「これで5枚目だな」
「うん、早く2人助けないと…」
「そうだな」
2人は足早に次の鏡を探しに行った。
「鏡がどんどん割られている…」
「アイツら…早く止めないと…」
ミラーはルシアノとルシオナがいた1階へ繋がる鏡へ入っていった。
「本物は二度と出られない。急ぐ必要はない」
ソレンの鏡がそう言った途端。
「っ!?お、お前…っ!何故…!?」
「アタシらは鏡みたいに脆くないんだよ…!」
ソレンはミラーを押し倒して思い切り、ありったけの力で踏みつけた。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「…ククル、そっちは?」
「こっちも割った。見掛け倒しだな」
2人の足元には粉々になった硝子の破片が落ちていた。
「よっしゃ、皆と合流するか!」
「了ー解」
2人は鏡の中から出るべく堂々と歩き出した。
「…2人…死ンダ」
黒髪を風に揺らしながら長身細身のシルエットは言った。青い眼には生気がなく作り物のようだった。
『全テ…鏡ニ…!』
ゴォッと強い風が吹いた。
廃病院の玄関に佇む大柄な男。呆れたように手を腰に当て3階を見上げた。
「ったく…夜に出歩くなって言ってんのに…親父に見つかったらどうすんだよ…」
男は大きなため息を吐いて中へ入っていった。
「うーわ…きったねぇ…」
男は顔を顰めて言った。煤が積もった床にはそれぞれ跡が違う足跡が6つあった。
「はーぁ…めんどくせぇな…オーイ!!お前らいんの知ってんだぞ!!センコーに言いつけられたくなかったらさっさと出てこい!」
男は良く通る声で怒鳴った。
「お…お兄ちゃん…?」
「ルシアノ…お前さ…どうなるか分かってるよなぁ?」
お兄ちゃんと呼ばれた男は腕組をして脅しの言葉をかけた。
「あれ…ルシオナさん…!?」
「さっさと帰んぞ」
「ダメなの!今帰っちゃダメなの!!」
ルシアノはルシオナの腕を掴んだ。そして現在までの過程を全て自白した。
「そうか…そんで帰ったらダメなんだな」
「うん…」
「提案したの誰なんだよ」
「それは…ソレンだけど…」
「ならしゃーないな。提案したのが悪ぃ。帰んぞ」
「え…!?見捨てるの…!!?」
「そんな…!どうしてそんな…」
「冗談だ」
少し沈黙が続いて、
「探すぞ」
振り向いたルシオナの顔は呆れたような困ったような感じの微妙な笑顔だった。
「っ…うっ…」
「あー泣くな泣くな。俺が恥ずい」
泣きそうなルシアノの頭をルシオナは軽く叩いた。
「でも…お前ら一回鏡写ってんだろ?」
「はい…」
「それならお前ら4人のミラーも出てくるだろ。情報を得ちまったんだから」
最年長ルシオナはここにある鏡全てを割ると言った。対処法はこれしかない。
「それじゃあ…取り込まれた本物はどうなるんですか…!?」
「残る鏡が1つとなればミラーも鏡の中に戻るだろ。そん時に本物がミラーぶっ飛ばして無理やり出てこればいいんだよ」
「…出来るの…?そんなこと…」
「出来るか出来ないかじゃねぇ やるんだよ」
強引な作戦には不思議な説得力があった。
「そう…ですね…やりましょう!」
「俺達は鏡みたいに脆く無い…。神獣の本気魅せてやる…!!」
「いいかお前ら!恐怖心捨てて鏡を全部割っちまえ!」
鏡と本物を見分けるため、5人はスマホの通話機能でお互いの状況を知らせることにした。
ネクストは手術室に来た。
「鏡は…あった!」
ネクストは鏡を道中で拾って鉄パイプで割った。
『兄さん、鏡割った?』
「おう、割ったぞ。お前んとこは大丈夫か?」
『問題ないよ。兄さんも気をつけて』
「ああ、わーってるよ」
アキストはナースコールセンターに来た。
「鏡…あれか!」
アキストは手元にあったスチール製のゴミ箱を投げつけて割った。
「よし…次だ…」
アキストはセンターを出て別の場所へ向かった。
ルシアノは兄と行動していた。女であるため、そして何より妹が心配だからだ。
「…あっお兄ちゃん、あれ…」
「…おう」
ルシオナは拳で鏡を真ん中から割った。
「これで5枚目だな」
「うん、早く2人助けないと…」
「そうだな」
2人は足早に次の鏡を探しに行った。
「鏡がどんどん割られている…」
「アイツら…早く止めないと…」
ミラーはルシアノとルシオナがいた1階へ繋がる鏡へ入っていった。
「本物は二度と出られない。急ぐ必要はない」
ソレンの鏡がそう言った途端。
「っ!?お、お前…っ!何故…!?」
「アタシらは鏡みたいに脆くないんだよ…!」
ソレンはミラーを押し倒して思い切り、ありったけの力で踏みつけた。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「…ククル、そっちは?」
「こっちも割った。見掛け倒しだな」
2人の足元には粉々になった硝子の破片が落ちていた。
「よっしゃ、皆と合流するか!」
「了ー解」
2人は鏡の中から出るべく堂々と歩き出した。
「…2人…死ンダ」
黒髪を風に揺らしながら長身細身のシルエットは言った。青い眼には生気がなく作り物のようだった。
『全テ…鏡ニ…!』
ゴォッと強い風が吹いた。
