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妖怪物語
- 桜姫という妖怪 -

妖怪は古から存在する。
平安時代に入ると妖怪達の動きが活発になった。
陰陽師という妖怪を退治する者も出て来た。
そんな中で、人々は願い続けた。
”妖怪から人々を守る妖怪”がいますように……と……。

「ウワァァァァ!!!」

一人の男が叫ぶ。
後ろからは妖怪が追って来ていた。

「人間ンン!!」
「助けてくれ!?」

男は恐怖からか、目を瞑る。
目には涙。
妖怪が男の前に来て、喰らおうとした。
ザンッ。
何かが斬れた音がした。

「ギャァァァ!!!」

妖怪の叫びが響く。
男は目を開ける。
男の前には黒い着物に紫の帯……。
とても美しい少女がいた。

「大丈夫?」

少女のソプラノ声が響く。
男は少女に釘付けになる。
白い肌に漆黒の長い髪。
美しい。
その言葉しか出なかった。

「ねえ…」
「あ、大丈夫だ」

少女は無表情に「良かった」と言った。
どうやら表情を作るのは苦手だとみた。
少女は男の手を取って言った。

「私を語って。妖怪は語られて強くなるの。私は人間を守る妖怪だから安心してね。皆は私の事を……」

男は唾を飲み込む。
少女は続ける。
_____桜姫と呼ぶ_____
季節に合わない桜が舞う。
男は桜吹雪に目を再び閉じる。
再び目を開けるとそこには美しい少女……いや、桜姫は居なかった。

妖怪大辞典
・桜姫
悪いものから人間を守る妖怪。桜姫に助けを頼めば何処からかやって来て人間を助ける。無表情だが慈悲深いが敵に対しては冷徹だ。
<2016/06/13 13:55 白悪夢比売の命>消しゴム
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